大人の発達障害 ADHDの症状、原因、治療や働き方

大人の発達障害 ADHDの症状、原因、治療や働き方


発達障害は先天的な脳機能の凸凹と環境のミスマッチによって社会生活に困難が生じる障害のことをいいます。
ここでは大人の発達障害の特徴や診断方法などについて紹介していきます。

大人の発達障害

発達障害とは、生まれもった発達上の個性があり、そのことで日常生活に困難をきたしている状態のことをいいます。
こうした特性は、障害と気づかれづらく、本当に必要なサポートを受けられずに困ることがあります。
また、多くの人は工夫や対策をして努力しますが、なかなか状況は改善されないのが現状です。
そのために自分のことを責めてしまったり、「本人が怠けている」「悪気があってやっている」あるいは「親の育て方のせい」のような非難や誤解にさらされ、つらい状況に置かれやすいのです。
しかし、このような問題は、脳の発達特性によるものなのです。



大人のADHD(注意欠如・多動症)

1.不注意(気が散る)

・仕事でのケアレスミス
・忘れものやなくしものが多い
・約束や期日を守れないまたは間に合わない
・時間管理をすることが苦手
・仕事や作業を順序通りに行うのが苦手
・片付けるのが苦手

2.多動性(じっとできない)

・落ち着かない
・貧乏ゆすりなどの目的のない動き

3.衝動性(思いついたらすぐ行動)

・思ったことをすぐ口にだす
・衝動買い

この特徴は、子どもの頃から持っていて、大人になって、家庭や仕事で責任が生じたり、学校や職場で人と接することで障害として気づかれる傾向にあります。

職場では、1つの不注意が周囲に大きな影響を与えてしまい、上司や同僚から「仕事ができない」とレッテルを貼られることもあります。

一般的に、女性は「不注意」の症状、男性は「多動性」や「衝動性」の症状が強く出るといわれています。



ADHDの治療

ADHDの治療は、「不注意」「多動性」「衝動性」それぞれの行動特徴から、心身および日常的に生じる生活上の困難やトラブルを軽減することを目的に行われます。
ADHDの治療は、薬を使わない心理社会的治療、薬を使う薬物療法があります。

1.心理社会的治療

心理社会的治療は、環境調整や認知行動療法が行われます。

環境調整は、自分の苦手なことや短所を補うために、生活環境を調整したり、人間関係を見直したりすることです。

認知行動療法は、うつ病などの精神疾患の治療に使われる心理療法です。
認知面と行動面の治療で、ADHDの人がセルフコントロールができることを目指します。

2.薬物療法

ADHDの人の脳内では、ドーパミンやノルアドレナリンなど神経伝達物質が問題で、神経伝達がスムーズでないから、「不注意」「多動性」「衝動性」の症状が生じているのではないかと考えられています。
この部分の改善を目的にしているのがADHDの治療薬です。

大人のADHD治療では、注意欠陥/多動性障害治療剤、中枢神経刺激剤が主に使われます。
どちらも医師の処方によって服薬することができ、副作用が出たときは医師と相談し指示を守ることが大切です。

ADHDの人の仕事

発達障害
ADHDの特性は、仕事上での支障も多いのですが、ADHDの特性を持って社会で活躍している人も少なくないです。



ADHDの人に向く仕事、向かない仕事

職場での困難を減らすためには、ADHDの特性を理解して、能力を発揮できる職種の選択が必要です。
ADHDの人は、長時間の集中力がいる仕事や、計画的な仕事、単調な流れ作業は得意ではないですが、行動力や発想力に優れているため、ひらめきが必要な職種に適性がある可能性があります。

向く仕事:起業家、営業職、プロデューサー、音楽家、ゲームソフトやコンピューターソフトの制作・開発、クリエイター
向かない仕事:乗り物の運転士、事務職、経理職、検品作業、校正作業

福祉施設の利用

1.発達障害者支援センター

「発達障害者支援法」の制定以来、全国に発達障害者支援センターが設立されています。
就労の相談も受け付けていて、ハローワーク(公共職業安定所)などの労働関係機関と連携して情報を提供してくれます。

2.就労移行支援事業所

就職を希望する障害のある人に、就労の知識や能力の向上のためのトレーニングや、求職活動の相談・支援をします。
また、就職した後の職場定着支援も行ってくれます。




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