ADHDの治療薬の種類と特徴|同時に行動療法の実施とあわせて

ADHDの治療薬の種類と特徴|同時に行動療法の実施とあわせて

ADHDの治療薬の種類と特徴|同時に行動療法の実施とあわせて
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、発達障害のひとつとされています。
しかし発達障害の中でも、ADHDには有効な治療薬があり、行動療法をしながら薬物療法を行うことで、生活改善が期待できるようになっているんです。
ここでは、そんなADHDの治療薬の種類やその働きについて紹介していきます。

ADHDの治療薬の種類

発達障害の中で唯一ADHDだけに有効な治療薬が
存在することを知っているでしょうか。

実はADHD以外の発達障害には有効な治療薬が存在しないのですが、
ADHDには有効な治療薬が存在するのです。

ドーパミン、ノルアドレナリンなど
神経伝達物質の働きを正常化するためには、
お薬はとても有効な手段のひとつです。

日本にはADHDの治療薬が3種類あります。
どのお薬も神経伝達の働きを正常化させることで
ADHDの症状を改善してくれます。

ADHDの治療法の中には、
コンサータ、ストラテラ、インチュニブを使用した
薬物療法があります。

この3つの薬は認可されている治療薬です。
医師の指示通りに服用していれば、薬物依存は起こりません。

この3剤は作用するメカニズムがそれぞれ少しずつ異なりますが、
ADHDに現れる、多動性・衝動性・不注意に効果を発揮します。

では、各治療薬にはどのような特徴があるのでしょうか。

ADHDの治療薬として3種類の薬が認可されています
(2018年11月現在)。




コンサータ(メチルフェニデート徐放錠)は、
脳内のドパミンという神経伝達物質の働きを
調整する働きがあります。

ストラテラ(アトモキセチン)、
インチュニブ(グアンファシン徐放錠)は、
ノルアドレナリンという神経伝達物質の
働きを調整する薬です。

薬に関しては、これまでにたくさんの調査研究が発表されており、
ADHDの症状が軽減することがわかっています。

また、不安障害などの二次障害を減らすことができる
などといわれています。

しかし、薬物療法は一定の効果があるのですが、
薬の使用だけでADHDが治ることはありません。

そうなんです。
ADHDは薬だけで治るものではないのです。

そして、薬に限らず、ADHDは治療だけでは
症状を完全になくすことが難しいものなのです。

まずは、ADHDの症状を自覚してそれを克服する手段を
自分で身に着けることが、治療の最終的な目標になります。

薬を含めたADHD治療は、
今でている症状を和らげて日常生活を送りやすく
するために実施されるのです。

以前より専門医の方々の間では
「ADHD治療薬はそれだけで治る魔法の薬ではない」
と良く言われています。

ADHDの薬物治療はあくまで、患者さんが日常生活を
不便なく行えるようにする補助的な役割にしかすぎません。

ですから、まずは、環境調整やペアレントトレーニング、
ソーシャルスキルトレーニング(SST)などの「行動療法」
を用いて、ADHD症状の緩和を図ります。

それらを行っても生活が改善しない場合に、
はじめて薬によるADHD治療が行われるのです。




薬物療法と同時に環境調整、ペアレントトレーニング、 ソーシャルスキルトレーニングなどの 「行動療法」を実施

薬物療法と同時に環境調整、ペアレントトレーニング、
ソーシャルスキルトレーニングなどの
「行動療法」を実施するとより効果的と言われています。

ADHDは薬だけの治療で治るものではありませんので、
ADHDの薬で症状を抑えながら、
より快適に日常生活が送れるように対処法を学んで、
健常者と同じ社会生活を過ごせる工夫が必要なのです。
そして、それは十分に可能です。

ADHDの注意欠如・多動症の対応としては、
「薬による行動改善」「環境改善」「行動療法」を3つの柱とし、
その人に合ったサポートを行います。

特に、行動療法では「望ましい行動をほめていく」ようにします。

例えば「動き回る」という多動症の行動に対しては、
・座ったときにほめる
・じっとしていた時間の長さをほめる
・授業や活動の中で動いても良い時間を作る
・授業前に校庭などで体を動かす
というような対応があります。

不適切な行動はできるだけ見逃して、できたことをほめ、
成功体験を積み重ねることが必要です。

不注意や行動面の症状における治療では、
抗うつ薬や抗不安薬を用いられることもあります。

また大人のADHDの治療には、
「ストラテラ(選択的ノルアドレナリン再取り込阻害剤)」や
「コンサータ錠(中枢神経刺激剤)」が多く用いられます。

治療に用いられる薬物については、あくまで対症療法ですから、
薬物治療と並行してカウンセリングをおこなうことによって
生活しやすい環境にまで整えていくことが重要です。

子供に対しては日常生活の中でどのようなことで
困難になってしまっているのか引き出しながら、
行動療法で少しずつ「自分でもできるんだ」
という自信を持てるようにしていきます。

好ましい行動を行った際にはほめる、もしくは報酬を与えて、
好ましくない行動をとった際には過剰には怒らず、
報酬を与えないで、好ましい行動が増えていくように、
本人がちゃんと分かるように伝えていくようにします。

また、大人に対しては、暮らしや生活環境、
人間関係などで困難な場面を引き出しながら、
実際にどのように工夫すればいいのか見直していきます。



発達障害専門の就労移行支援

◆発達障害専門の就労移行支援【リンクビー】


➡ 職場定着率90%!発達障害専門の就労移行支援【リンクビー】

まとめ

発達障害の一種であるADHDは、完全に治癒することはできない病気です。
病気というよりも生まれ持った特性です。
しかし、日常生活や仕事場での困難などは、
適切な治療や治療薬、周囲の理解で軽減することができるんです。
まずは自分の特性を理解することから始めて、
自分に合った治療薬や改善方法を探しましょう。




ADHDカテゴリの最新記事