統合失調症の薬物治療が始まったのは第二次大戦後ですが、実は薬物治療が始まる前から統合失調症のおよそ3分の1は長期的な治療後の経過がよいことはあらかじめ分かっていました。
統合失調症はもともと治療後の経過が悪い病気ではないのです。
加えて、薬物療法は精神病状態から回復を早め、症状によって生活が中断される期間が短く、また再発の予防のためにも有効です。
また、統合失調症の自然経過として、もともと年齢を重ねると良くなります。
現在回復が難しく思えても諦めずに治療を続けていけば治る可能性が高くなっていく病気なのです。
統合失調症は治療すれば良くなる
統合失調症の症状が慢性化する患者は全体の2割程度です。
残りの約8割の方は、早く治療をすればそれだけ早く回復するということです。
これは他の身体の病気と比べても治療後の経過が悪くないですし、治療のしがいがあると言えます。
統合失調症は治すべき病気で、治療すれば良くなる病気であると考えられます。
入院期間の短縮と早期治療介入
統合失調症急性期の入院期間の目安としては個人差はありますが1ヶ月から3ヶ月です。
急性期以外の慢性病棟も含めての平均入院期間は約80日です。
今後もさらに短くなっていくと考えられます。
治療の開始が早ければ早いほど回復も早いとことは間違いありませんし、統合失調症に対する認知度が向上すればそれだけ早く治療につながることが期待できるからです。
しかし、早ければ早い治療開始が良いと言っても、ただ精神科の患者にして投薬をはじめればいいことではありません。
受診すればすぐに診断が下ることはないですし、診断を決めつけて薬物治療を開始することはあってはなりません。
まず受診して、診断を決めつけずに専門家と一緒に様子をみることが、重症化を防ぐには大切なことです。
仕事への復帰
統合失調症の方が働きづらく感じる悩みは、大別すると「疲れやすい」「やる気がないと思われやすいこと」「周囲が気になりすぎて集中できなくなる」の3点です。
これらの悩みを解決できるような職場環境と仕事選びをすることで統合失調症の人の働きづらさも和らぎます。
仕事の探し方
障がいについて理解のある職場で働きたい場合は、ハローワークの障がい者担当窓口に相談することをおすすめします。
また、各都道府県にある障害者就業・生活支援センターでも障害者用の窓口が設置されています。
障がいをオープンにせずに働きたい場合は
ハローワーク、新聞等の折り込みチラシ、求人情報誌、ネット求人サイトなど一般的な方法で探す事になります。
どちらにしても、かかりつけの医療機関の精神保健福祉士や、相談支援事業所の相談員、地域の保健師など、身近な専門職の人に、仕事探しを始めたいと相談してみましょう。
適切な方法と利用できる機関や制度を教えてくれるはずです。
また統合失調症専門の就労支援サービスも始まりました。
就労移行支援では、大きく分けて「個別支援計画」「職業訓練」「適性に合った職場探し」「職場定着支援」の4つのステップを踏んで、就職・定着へとつなげていく事業所のことをいいます。
利用者に合う職場や働き方を見つけるために、自己分析や企業研究などとともに、面接や履歴書の書き方の練習といった就職活動のサポートを行います。
就労移行支援事業所は職業紹介を行うことはできませんが、「こんな求人がありますよ」と提案するのにとどめて、実際に求人応募する時には、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターなどと連携します。
統合失調症専門の就労移行支援サービス【リドアーズ】
日本で唯一の統合失調症専門の就労移行支援サービスがリドアーズです。
リドアーズは15年以上に渡り障害者の就職・転職をサポートを実施てきた「atGP転職サービス」と連携して、プロのキャリアアドバイザーが親身に寄り添って就職内定までをサポートしてくれます。
統合失調症の方が就職した後に長く活躍するために必要な症状理解とセルフコントロール、ビジネススキル等の独自の統合失調症専門のカリキュラムを用意や研修を用意しています。
就職実績も、2017年度は、定員20名のうち15名が就職し、就職定着率も93%と高い実績を上げています。
リドアーズはこんな方におススメ
(統合失調症がある方で)
・働くことに自信がない
・自分に合った仕事がわからない
・自分の症状と上手く付き合う方法が分からない
・職場でのコミュニケーションに不安がある
・就職しても、安定して長く働けるか不安がある
・ずっと就職活動をしているが、うまくいかない
・PCスキルに不安がある
統合失調症があり就職活動や働き続けることに不安を感じている方で、東京(御茶ノ水)に週3~5日(平日)通所可能な方は一度利用してみることもおすすめです。
まとめ
統合失調症は治療すれば良くなる病気です。
服薬やリハビリやトレーニングをしながら良くしていくことができる病気です。
また統合失調症と上手く付き合いながら仕事探し、働いていく方法や、日本で唯一の統合失調症の方専門の就労支援サービス「リドアーズ」についてをご紹介させていただきました。
病気は辛いですが、その辛さを自分だけでなく、家族や医療関係者たちと一緒に乗り越えれば皆さんもきっと新しい一歩を生み出せるはずです。