妊娠すると、妊娠のよろこびは束の間で、さまざまな不快な症状も出てきます。
妊娠初期に悩まされるつわりに代表されるマイナートラブルは、人によってさまざまな症状が起き、収まったと思ったらまた別のマイナートラブルがやってきます。
ここではそんな妊娠中のマイナートラブルとは何なのか、起こりやすいマイナートラブルについて説明します。
マイナートラブルとは
マイナートラブル(minor trouble)とはもともとは小さな問題という意味です。
一般的には妊娠に伴って発生する不快な症状のことをいいます。
重大な病気などではないのですが、妊娠によって起きる体の変化や心理的な要因で、身体や精神に回復できるなんらかの症状が起きることをいいます。
妊娠中に起きるマイナートラブルは、気分や日常生活に支障をきたしてしまいます。
マイナートラブルは発生頻度や種類が多いにもかかわらず、妊娠中に回復してしまうことも多いため、現状ではあまり重要視されていないので、研究も進んでいません。
マイナートラブルは、妊娠によって発生する生理的・精神的変化が、何となく体調が悪い原因となっている場合が多く、妊娠の不安などが自律神経や、精神的・身体的に症状を引き起こしやすくしています。
妊娠中のマイナートラブルへのケアは、妊婦さん自身の体や精神、環境などについて理解することが必要です。
妊娠初期のマイナートラブル(妊娠2カ月頃~妊娠4カ月頃)
つわり
つわりは妊娠した方の8割は何らかの形で感じるとされていますが、中には全く感じないという方もいます。
症状としては食欲がなくなる、胸やけがする、食の好みが変わる、匂いに敏感になる、食事のあとに吐くなどです。
原因
実はつわりの原因は、はっきりとは明らかになっていません。
代表的な説に、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れ、胎盤が未熟な時期に胎児を異物と判断している、などの説が有力視されていますが、医学的な原因はまだわからない状態です。
症状
早い人は妊娠がわかったときからつわりの症状を感じることもあります。
・吐き気や嘔吐・・胃がむかむかして吐き気が続いたり、食後に吐いたりします。
・食欲不振・・吐き気のために食欲が落ちたり、食べ物の好みが変わります。
・常に眠い・だるい・・体が重く感じたり、寝不足ではないのに眠気を感じます。
・空腹時のむかつき・・お腹がすくと気持ち悪くなり、少し食べると落ち着きます。
・においに敏感・・臭覚が敏感になり、食べ物のにおいで吐き気をもよおします。
・唾液がたまる・・つわりの初期に、唾液が口の中にたまり、気持ち悪さを感じることがあります。
これらの他に、頭痛を感じる人もいます。
つわりは一般的に妊娠3ヶ月頃にピークを迎え、その後少しずつ楽になっていきます。
つわりの間は、無理をしないで食べられるものだけ食べて過ごしても大丈夫です、赤ちゃんは優先的に栄養をもらって育っていますので心配はいりません。
ただし、1日に何度も吐いて食事がほとんど食べられない、体重が1週間で1~2kg減ってしまう、尿が出ない、水を飲んでも吐く、というような重い症状の場合は、治療が必要なこともありますので、産婦人科を受診してください。
対処方法
・脱水症状を防ぐため、水分はこまめにとる
・空腹時に気持ち悪くなってしまうので、食べたいものを食べたい時に食べる
・ローカロリーの飴・ガムやおせんべいを携帯しお腹がすいたら食べる
・食事は1回の量を減らし、1日に何回にも分けて食べる
・においに敏感になった人は、料理を冷やしてにおいをやわらげるとよい
・家事や仕事で無理をしない
・安静にする
・気分転換をはかる
頻尿
頻尿は妊娠中のマイナートラブルのひとつです。
トイレに行ったばかりなのに尿意を感じる、残尿感がある、尿意で何度も目が覚める、などといった悩みを抱えている妊婦さんは多いです。
ほとんどの人が経験することで、心配することも恥ずかしがることもないです。
原因
少しずつ大きくなる子宮により、膀胱や尿路が圧迫される
妊娠により、膀胱粘膜が充血する
妊娠により腎臓の血流が増加する
対処方法
・おしっこは我慢しない
・水分制限しない
・外出先ではトイレの場所を確認
・尿吸収ライナー(尿とりパッド)を使用
頻尿や残尿感、排尿時痛、尿混濁(おしっこのにごり)など、症状が重なる時は医師に相談しましょう。
便秘
便秘は毎日便がないことだけを言うのではなく、排便の回数の少ないもの、便量の減少、固い便、排便困難、残便感、あるいはこれらの状態の組み合わせが「便秘」です。
原因
妊娠で増えた黄体ホルモンが腸の動きを抑える
大きくなった子宮が腸を圧迫して動きを妨げる
運動不足や野菜不足の食生活
対処方法
・食物繊維をたくさん摂る
・適度な運動をする
・ヨーグルトを食べる
・十分な水分を摂る
・決まった時間にトイレに行く
倦怠感
妊娠初期から、中期に入っても倦怠感が続くことがあります。
倦怠感は疲れやすい、熱っぽい、だるい、体が重い、または眠気やめまいなどの症状として現れます。
原因
赤ちゃんの成長にに必要な栄養素を含んだ血液が、体内で不足し貧血気味になる
赤ちゃんの成長に伴う体重の重みで下半身に負担がかかる
黄体ホルモンのバランスが崩れた際に起きる情緒不安定
妊娠生活のストレスや不安
対処方法
・貧血予防
・十分な休息
妊娠中期のマイナートラブル(妊娠5カ月頃~妊娠7カ月頃)
妊娠線
妊娠が進んでくるとおなかや乳房、太ももなどに赤色っぽい疵のような腺が出ます。
妊娠線は妊婦の70~80%に見られ、一度できると完全には消えませんが、お産が終われば線は白っぽくなり目立たなくなります。
原因
急激な体重増加による脂肪の増加や、皮膚の乾燥などでできやすくなります
対処方法
・体重管理
・皮膚の保湿
体毛が濃くなる
妊娠により分泌量が増えたホルモンの影響で体毛が濃くなることがありますが、お産が終われば元に戻ります。
また、髪の毛がパサつく、抜け毛が目立つ、などの毛に関するトラブルも起こりやすくなります。
原因
妊娠した体の中ではさかんに女性ホルモンが分泌され、ホルモン同士のバランスが乱れ、お腹だけでなく体毛そのものが濃くなることがあります。
対処方法
・基本はムダ毛処理をしない
皮膚のかゆみ
ホルモン分泌の変化により、お肌が敏感になり、かゆみや肌荒れ、乾燥を感じる人が多くなります。
原因
ホルモンバランスの乱れ
水分不足・栄養不足
妊娠性掻痒症・・・全身に強いかゆみが起こります
対処方法
・洗顔と保湿ケア
・水分補給
・お肌に優しい低刺激の服・下着を選ぶ
頭痛・肩こり
大きくなった子宮のせいで血行や姿勢が悪くなることや、出産への不安などから頭痛や肩こりがひどくなることもあります。
適度な運動や入浴で血行をよくし、ストレスを解消しましょう。
原因
ホルモン分泌の変化
大きくなった子宮のせいで血行や姿勢が悪くなる
出産への不安、ストレス
対処方法
・ストレッチなどで血行をよくする
・姿勢に気を付ける
・ゆったり過ごす
・頭痛に効くツボ「風池(ふうち)」や肩こりに効くツボ「肩井(けんせい)」を押す
しみ・そばかす
メラニン細胞を刺激するホルモンの分泌で、シミやそばかすができやすくなります。
メラニン色素でお肌を黒くすることによって、お肌の内部に有害な紫外線などが侵入するのを防ごうします。
原因
妊娠して女性ホルモンの分泌が増え、それがメラノサイトの活動を活性化します。
その結果、メラニン色素が大量に生成、シミも大量発生してしまいます。
対処方法
・外出するときは、帽子や日傘、日焼け止めクリームなどでUVケアを万全にする
・ビタミンCを摂る
ホルモンバランスの変化で、しみやそばかすができやすくなる人もいます。
帽子や日焼け止めで、普段から日焼け防止に心がけましょう。
めまい・立ちくらみ
大きくなった子宮に圧迫されて血行が悪くなり、急に立ち上がったときに脳に流れる血液が一時的に不足し、めまいや立ちくらみを感じることがあります。
また、三半規管の異常で激しいめまいに襲われることもあります。
血液検査を受けて血液状態に問題がなく、つわりも治まっているのにめまいの症状がひどい場合、三半規管に原因が潜んでいる可能性があります。
症状があまりにもしんどい時は耳鼻科で診てもらった方が良いかも知れません。
原因
吐き気を伴うめまいはつわりが原因です。
酸欠によりめまいがおこりやすくなるので注意が必要です。
貧血でもめまいや立ちくらみの症状がおきます。
ホルモンの影響で自律神経が乱れめまいや立ちくらみが起こることがあります。
ホルモンバランスが崩れや、お腹の赤ちゃんに血管が圧迫されて低血圧になりめまいが起こることがあります。
対処方法
・ゆっくり立ち上がりましょう
・ゆっくりペースで動くことが大切です
・深呼吸しながらしばらく身体を伸ばす
・鉄と葉酸を摂取する
・鉄サプリを飲む時は血液検査を受けてから
妊娠後期のマイナートラブル(妊娠8カ月頃~妊娠10カ月頃)
腰背部痛
妊娠後期になってくると増えてくる傾向にあります。
腰からお尻、太ももの裏にかけて痛みを感じる事が多く、症状が重い方では歩くのに支障が出てしまいます。
楽な姿勢でも痛みが続くときは、椎間板ヘルニアなど他の病気の心配がでてきますので、お医者さんに相談しましょう。
原因
大きくなったおなかを支えるために、背骨が反り返り、腰に負担がかかりやすくなります。
また、ホルモンの影響で、背骨や骨盤の関節がゆるみ、体の重みを支える力が弱くなります。
運動不足で筋肉が落ち、姿勢の保持に支障が出てしまうことがあります。
対処方法
産後まで腰痛がすっきり解消されることはありませんし、さらにおなかが大きくなるので、痛みが増すこともあります。
正しい姿勢を保ち、適度な運動で血行をうながして、腰への負担をできるだけ減らすことが大切です。
長時間、同じ姿勢を続けるのは避け、疲れたら横になって休むことも大切です。
静脈瘤
原因
妊娠が進むにしたがって血液中の水分量が増加し、血液から体液として水分が皮下組織に溜まりやすくなるため
増大した子宮による圧迫などにより足の血行が悪くなり、表面血管が膨れ上がる静脈血のうっ血が起こるため
対処方法
・長時間立ち続けたり、同じ姿勢でいない
・休息時には横になる時は左側を向いて寝る(右側が上)
・足を少しあげて休む
・水分をこまめに十分に摂る
・マタニティ用のストッキングや着圧ソックスを履く
痔
原因
赤ちゃんの成長とともに大きくなる子宮が、骨盤の内側を通る静脈などを圧迫するので、下半身の血行がわるい状態となり、肛門周囲がうっ血しやすく、痔ができます。
妊娠中はプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、その影響で腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が悪くなることにより便秘がちとなり、肛門周囲にうっ血による痔ができやすい状態です。
対処方法
・定期的に体を動かして、下半身の血流を促す
・便秘のケアのための生活習慣の見直し
・低脂肪ヨーグルトや食物繊維を意識する
・唐辛子などの刺激物を避ける
頻尿
原因
お産に向けて赤ちゃんの頭が下がってきて、近くにある膀胱が圧迫されるため
対処方法
・おしっこは我慢しない
・水分制限しない
・外出先ではトイレの場所を確認
・尿吸収ライナー(尿とりパッド)を使用
むくみ
原因
血液量の増加
黄体ホルモンの増加
子宮の変化
運動不足
妊娠高血圧症候群・・妊娠高血圧症候群によるむくみは、肝機能障害を起こしたり、胎児に危険が及ぶことがあります。
血圧上昇や頭痛などの症状が思い当たる場合には、医師に相談してください。
対処方法
・塩分を控える
・マッサージをしてリンパの流れを改善
・足を温める
・水分を摂る(極端な水分制限はむくみを悪化)
こむらがえり
原因
ホルモンの影響やおなかが大きくなることで、足の筋肉に負担がかかる状態が続き、おなかが大きくなったことで血行が悪くなったり、妊娠前より運動量が減ってしまったりして、こむら返りが起きやすくなります。
妊娠中はカルシウム不足や、妊娠8カ月以降になると骨盤がゆるむことで、足の筋肉が引き伸ばされるので、ふくらはぎの筋肉がもとに戻ろうとしてこむら返りが起こります。
対処方法
・散歩やストレッチ、妊婦体操など適度に体を動かす
・ふくらはぎのマッサージ
・冷やさない
・カルシウムやマグネシウムを含む食材を摂る
・骨盤をしっかりサポート
仰臥位低血圧症候群
妊婦さんが仰向けになる事で、大きくなった子宮に下大静脈が圧迫され血圧低下症状から最悪ショックになることがあります。
突然ショックになると、頻脈、悪心・嘔吐、冷汗、顔面蒼白などの症状がみられる。
原因
妊婦さんが仰臥位をとると、胎児や羊水、増大した子宮の重みで下大静脈が圧迫され、右心房への静脈還流量の減少や心拍出量が減少し血圧低下が起こります。
対処方法
妊婦を仰臥位から左側臥位にし、下大静脈の圧迫を解除することにより症状は回復します。
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まとめ
いかがでしたか?
妊娠中の主要なマイナートラブルについてみてきました。
ただ、マイナートラブルはここで紹介したもの以外にもまだたくさんあり、妊娠・出産が人それぞれなように、マイナートラブルの症状や発症の程度は人によって全く異なります。
決して無理はせずに、簡単なストレッチなどをしながらゆっくり過ごしましょう。
そして、身体の状態で少しでも気になることがあれば医師に相談しましょう。