ビオチンはビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。
糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助けながら、皮膚や髪の健康を保つのに必要な栄養素だと言われています。
ここではこのビオチンの基礎的な知識やビオチンを多く含んでいる食品などをご紹介します。
ビオチンとは
ビオチンは別名「ビタミンH」と呼ばれています。
ビオチンは、ビタミンB群の仲間なのになぜビタミンHなのでしょうか?
それはビオチンが発見された要因に関係があります。
ビオチンは、オランダの研究者ケーグルのよって酵母の増殖に必要な因子として発見されました。
ビオチンは皮膚の炎症を防止することが発見され、ドイツで皮膚(Haut)を意味する言葉の頭文字をとって「H」と名付けられました。
しかし現在では、最初に発見されたときのビオチンという名前が一般的となっています。
このビオチンは腸内細菌でも合成している栄養素ですので、基本的にはあまり不足することはありません。
ビオチンはビタミンB群の仲間ですので、様々な酵素の補酵素として働きます。
ビオチンの生理作用
ビオチンはエネルギー代謝にかかわるビタミンの一種で、三大栄養素である、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝で必要になります。
ビオチンはビタミンB群の一種ですから、酵素の補酵素として働いています。
ビオチンのおかげで、エネルギー代謝にかかわる酵素が活性化され、代謝の化学反応がスムーズに行われるのです。
エネルギー代謝をするにはカルボキシラーゼという酵素が必要ですが、この酵素はビオチン(補酵素)がないと働けません。
ビオチンはエネルギーをつくりだす手助けをしているのです。
また、ビオチンは皮膚や粘膜の健康維持にも関わっています。
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持はもちろん、髪の毛にも必要な栄養素です。
このビオチンは、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、脱毛などの皮膚症状や食欲不振、うつなどの症状にも有効だといわれています。
髪の毛の主成分はたんぱく質の一種である「ケラチン」です。
ケラチンが髪として生成されるためにはコラーゲンが必要なのですが、このコラーゲンの合成を助けるのがビオチンの主な働きと言われています。
また、ビオチンは髪を作るアミノ酸の代謝にも大きくかかわっています。
ですからビオチンの不足は頭皮や髪の毛への影響が大きくなるのです。
ビオチンの欠乏症
ビオチンは腸内細菌で合成することができる栄養素で、また、様々な食材にも少しずつ含まれています。
普通の食生活をすれば不足することはほとんどありません。
しかし、抗生物質の長期間服用など腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、ビオチンの合成量は減ります。
また、極端に偏った食事を続けたり、長期間に渡り経管栄養を受けている方は、ビオチンが不足しやすいといわれています。
このようにビオチン不足が起こると、皮膚や粘膜、髪の毛に影響が出ます。
また、口内炎や舌炎もビオチンが欠乏して起きる症状です。
そして乳幼児の場合、腸内細菌が充足してないためにビオチン不足になりやすいです。
また、生卵の卵白を食べ過ぎると、ビオチンが不足する可能性があります。
卵白にはアビジンというたんぱく質があり、腸内でビオチンとくっつきます。
このアビジンがビオチンの吸収を邪魔し、ビオチンが不足するのです。
これを卵白障害といいます。
生卵が大好きで、たくさん食べている人は注意が必要です。
ただし、1日に10個以上を数日間食べ続けなければ大丈夫のようです。
キムチやヨーグルトなどの乳製品、コーヒーにも注意が必要です。
キムチに含まれるカプサイシンによる刺激はビオチンの吸収を阻害するようです。
また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の一種の「フェカリス菌」が、ビオチンを消費して増殖することが分かっています。
コーヒーはカフェインにビオチンを消耗させる働きがあります。
更に、カフェインには髪に必要な栄養素の亜鉛も消耗させてしまいます。
ビオチンの食事摂取基準
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビオチンの一日の摂取の目安量を18歳以上の男女とも50㎍としています。
水溶性ビタミンで、過剰に摂取しても尿として排出されやすいために、過剰摂取による健康被害が報告されていないので、耐容上限量は設定されてないです。
ビオチンを多く含む食品
1食分の目安量・・・1パック(50g)
成分含有量・・・9.1㎍
1食分の目安量・・・15粒(10g)
成分含有量・・・9.2㎍
1食分の目安量・・・10粒(14g)
成分含有量・・・9㎍
1食分の目安量・・・小10枚(3g)
成分含有量・・・1.4㎍
1食分の目安量・・・1切れ(100g)
成分含有量・・・24㎍
1食分の目安量・・・適量(80g)
成分含有量・・・18㎍
1食分の目安量・・・1腹(60g)
成分含有量・・・11㎍
1食分の目安量・・・適量(50g)
成分含有量・・・116㎍
1食分の目安量・・・適量(50g)
成分含有量・・・40㎍
1食分の目安量・・・1個(60g)
成分含有量・・・15㎍
このような食品にビオチンが多く含まれています。
積極的に摂取したい方はぜひ参考にしてみてください。
ビオチンの効率的な摂取方法
ビオチンを吸収しやすくするためには亜鉛と一緒に摂取することです。
卵黄や鶏や豚レバー、納豆、アーモンドなどはビオチンと一緒に亜鉛も摂取できる食べ物です。
ビオチンはレバー類に多く含まれています。
ですので、レバーを定期的に食べる習慣があれば、まず不足する心配はありません。
また腸内細菌によってもビオチンは作られていますので、腸内環境を整えておくことが大切です。
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